安心な生卵(殺菌卵)のご案内

背景および生卵のリスク

 ドイツで購入できる卵は日本国内で流通する卵とは異なり基本的に殺菌プロセスを経ないままの卵が市場に流通しています。また菌を抑えるのに有効な冷蔵保存がされておらず常温で販売されているのは高いリスクを伴います。

ここドイツでは食の習慣がないことから日本のような殺菌のプロセスを経る必要がないためで消費期限内に食する場合は安全であるという考え方からと思われます。

しかしながら日本人の食習慣を考えると、ここドイツにて卵、特に生卵を安心して食するにはサルモネラ菌等のリスクを知る必要があります。

 

殻に存在する菌について

殺菌プロセスを経ていない卵の殻の表面にはサルモネラ菌などの雑菌が多く付着しています

そのため卵の取り扱いには注意が必要で、調理中に殻に存在する菌が食材に混入する他、手やタオル、調理器具に感染したり、冷蔵庫内に保存する際に他の食品に感染したりと非常に危険を伴います。

 

 


つまり卵の危険は殻の面に存在するサルモネラ菌類に多くが起因しておりいかにそれらを取り除くかがキーポイントになります。

卵を家庭で洗浄することは菌の内部混入につながります

ご自分で市販の卵の殻を洗うことによって、実は殻に付着していた菌が水と一緒に卵の内部に混入してしまい危険性を増大させてしまいます。

専門的な方法での洗浄・殺菌が必要なのはそのためなのです。大規模な専用設備や専門技術を経ず、鮮度のよさだけで生卵を食することは非常に高いリスクを伴いますのでご注意ください。

殺菌卵とは

弊社では生卵を調理に使用するメニュー(例.カルボナーラなど)のレッスンにおいて安全な食品を皆さまにご提供したいこともあり、ドイツでも安心して生で食せる卵、殺菌卵の供給先を見つけました。それがEIPRO-Vermarktung GmbH & Co. KGという卵製品に特化した卵の専門会社で、ノルトラインヴェストファーレン州内のBodenhaltung卵の殻のサルモネラ菌を専用設備で除去した安全な殺菌卵です。


この専用設備で殺菌処理した卵。殺菌とはいっても専用技術(低温殺菌)によるもので自然卵の状態です。

殻のかけらが中に入ってしまっても安心

割った際に殺菌されていない卵の殻が卵に混入してしまうとサルモネラ菌の恐れが考えられますが、殻のかけらが誤って卵内に混入してしまっても安心なのも殺菌卵の大きなメリットです。

卵の保存・取り扱いには注意しましょう。

*卵の保存方法(10度以上の高温環境下など)次第で殺菌卵でも安全とは言えなくなります。

保管は常に10度以下(4度推奨)の冷蔵庫にて保管を心がけ、なるべくお早目に食することをお勧め致します。

*卵の白身に白濁があるなど個体差がある場合もございます。その白濁は新鮮卵に特有の卵白中に溶け込んでいる二酸化炭素で、それは殻の内外の二酸化炭素濃度差により時間の経過とともに外へ拡散していきます。安心してお召し上がりください。逆に卵白が透き通った水っぽい卵はやや古い卵といえます。

参考文献(日本養鶏協会)

注)

卵の保存は10度以下の冷蔵庫保管を徹底し、賞味期限内に消費することをご推奨いたします。

上記洗浄・殺菌プロセスを経たものでも100%安全とは断定できません。

例えば10000~20000個に1個の大変低い割合で卵の中にサルモネラが存在するインエッグ卵を上記プロセスでは防ぐことはできません。ただし、インエッグ型の卵でも、生まれたての卵内に存在する菌体の数は20個未満という低いレベルであり、食中毒を起こすレベル(1万~10万)の菌数ではございませんが、その後の卵の保存方法(10度以上の高温環境下など)次第でその危険性を増してしまうこともございますので、常に冷蔵保存しお早目に召し上がることをお勧め致します。